いびきは、睡眠中に上気道が狭まり、空気の通り道が狭くなることで生じる音です。
これは単に睡眠の質を低下させるだけでなく、重度の場合は睡眠時無呼吸症候群などの健康リスクを高める可能性があります。

近年、レーザーによるいびき治療が注目されていますが、この治療法の内容や費用、保険の適応はどのようになっているのでしょうか?

レーザーによるいびき治療の仕組みと特徴

レーザーによる治療法は、主に睡眠中に発生するいびきの原因となる上気道の軟組織、特に軟口蓋に焦点を当てます。

いびきは、これらの軟組織がリラックスし、気道を部分的に塞ぐことで生じる振動音です。
レーザー治療の目的は、これらの組織を引き締め、気道を確保することにより、いびきの発生を抑制することにあります。

いびきのレーザー治療は、いびき治療・いびき外来でおすすめクリニックなどで行うことが可能です。

治療のメカニズム

軟組織へのレーザー照射

治療は、レーザー装置から放出される光エネルギーを軟口蓋に正確に照射することから始まります。この光エネルギーは、特定の深さまで組織内に浸透し、熱効果を生み出します。

組織の加熱と収縮

レーザー光による加熱は、軟組織内のコラーゲン繊維を瞬時に収縮させます。この収縮は、組織の引き締めと気道の拡張を引き起こし、いびきの原因となる振動を減少させます。

組織の再構築

加熱による初期の収縮の後、治癒過程が始まり、新しいコラーゲンの生成が促進されます。この新しいコラーゲンは、治療部位の組織をさらに強化し、より持続的な気道の開放性を提供します。

出典:いびき治療ROMEO(ロミオ)|その他の特殊治療なら湘南美容クリニック【公式】

レーザー治療の特徴

非侵襲性(※)

レーザー治療は非侵襲的であり、体への負担が少ないため、回復時間が短く、治療後すぐに日常生活に戻ることが可能です。

精密性

レーザー光は非常に精密に制御され、治療を必要とする特定の組織にのみ影響を与えることができます。これにより、周囲の健康な組織への損傷が最小限に抑えられます。

カスタマイズ可能

レーザー治療は、患者の個々の状況やいびきの重度に応じて、エネルギーレベルや照射パターンを調整することができます。これにより、治療の効果を最大化し、患者に合わせたパーソナライズされた治療を提供することが可能です。

レーザーによるいびき治療は、その精密性と非侵襲性により、多くの患者にとって魅力的な選択肢となっています。

※非侵襲性とは、体の外部から物理的な切開や穿刺を伴わずに診断や治療を行う方法を指します。

いびきのレーザー治療の効果と持続性は?

レーザーによるいびき治療は、特に軽度から中等度のいびきに対して効果的な方法とされています。この治療法の主な効果は、いびきの音量を減少させたり、いびきの頻度を低下させたりすることにあります。重要な点は、この治療がすべての患者に同じ効果をもたらすわけではなく、効果は個人の状態やいびきの原因によって異なるということです。

いびきのレーザー治療の主な効果

レーザー治療は、睡眠時のいびきの改善以外にも副次的に効果があります。レーザー治療による効果を紹介します。

いびきの音量の減少

治療により軟口蓋と周囲の軟組織が引き締まり、気道が広がることで、いびきの音量が減少します。

いびきの頻度の低下

気道が広がることで、いびきをかく頻度が減少する可能性があります。これにより、より静かで質の高い睡眠が得られるようになります。

睡眠の質の改善

いびきの減少により、睡眠中断が少なくなり、睡眠の質が向上することが期待できます。これにより、日中の疲労感や集中力の低下が軽減される可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群の軽減

軽度の睡眠時無呼吸症候群の患者において、レーザー治療が症状の軽減に寄与することがありますが、これは個々の症例によって異なります。

いびきのレーザー治療効果の持続性と限界

レーザー治療では、完全に症状が治らない場合があります。また、症状が治まっても生活習慣や時間の経過により症状が再発する場合もあります。

持続性

レーザー治療の効果は通常、数年間持続しますが、これは患者の生活習慣や加齢によって変わる可能性があります。たとえば、体重の増加アルコール消費の増加は、いびきの再発につながる可能性があります。

限界

重度の睡眠時無呼吸症候群の患者にとって、レーザー治療は根本的な解決策とはならず、より包括的な治療アプローチが必要になることがあります。また、いびきの原因が鼻腔や下咽頭の問題にある場合、レーザー治療は効果が限定的になる可能性があります。

レーザーによるいびき治療の費用と保険適応

レーザー治療の費用と保険

近年注目を集めているレーザーによるいびき治療は、従来の手術療法に比べ、体に負担が少なく、短時間で治療できるというメリットがあります。しかし、気になるのは費用と保険適応です。

1. いびきのレーザ治療の費用

レーザー治療の費用は、レーザー治療の種類や施設、治療範囲によって大きく異なります。いびきのレーザー治療一回当たりの料金は、保険適応外だと数万円になります。具体的な費用については、治療回数や治療方法によって異なるので医師への相談が必要です。

以下は、費用の内訳の一例です。

費用内訳
  • 初診料:4,000円~12,000円
  • レーザー機器使用料:3万円程度
  • 再診料:1000円~2000円

2. いびきのレーザー治療には保険適応できる?

レーザー治療は美容医療とみなされることが多く、基本的に健康保険は適用されません。ただし、いびきが睡眠時無呼吸症候群の治療として必要な場合は、保険適用の可能性があります。

保険適応条件
  • 治療方法:保険適応されるレーザー治療には特定の種類があります。例えば、口蓋垂軟口蓋形成術(LAUP) は保険適用があり、自己負担3割の場合、約30,000円程度で受けられることが一般的です。
  • 診断: 睡眠時無呼吸症候群などの診断を受けている場合、一部のレーザー治療を保険適応にできる可能性があります。例えば、睡眠時無呼吸症候群の診断のための「簡易検査」や「精密検査」が保険適応されます​。
  • 医師の判断: 治療の必要性を医師が判断し、適切な治療法を提案する必要があります。いびき自体が睡眠障害の一つとみなされる場合、診療の上で必要であると判断されれば、保険適応されることがあります。

保険適用になると、患者さんの負担は3割になります。例えば、治療費が3万円の場合、患者さんの負担は9,000円となります。

いびき治療を健康保険を使って受けるためには、事前に病院に確認することが大切です。
病院を受診する前に知っておきたいポイントとして、「いびき」という症状には健康保険が
適用になりません。

しかし、睡眠時無呼吸症候群という診断名が確定すると、いびき対策のための治療法が
健康保険の適用となります。病気と認定されることがポイントです。

引用:いびき治療に健康保険を使えますか? | いびき治療専門サイト

いびきのレーザー治療にはどんなメリットとデメリットがある?

レーザーによるいびき治療は、近年注目を集めている治療法です。従来の手術療法に比べ、体に負担が少なく、短時間で治療できるというメリットがあります。しかし、デメリットも存在します。

1.レーザーによるいびき治療のメリット

レーザーによるいびき治療にはほかの治療方法に比べて以下のようなメリットがあります。

体に負担が少ない

手術と比べて出血量が少ない、傷跡が小さい、痛みが少ないなどのメリットがある。

短時間で治療できる

手術と比べて治療時間が短い。

ダウンタイムが短い

手術と比べて日常生活への復帰が早い。

局所麻酔で治療できる

全身麻酔の必要がなく、体への負担が少ない。

精密な治療が可能

レーザーを照射する範囲をピンポイントで調整できるため、精密な治療が可能。

再発率が低い

適切な治療を行えば、再発率が低い。

2. レーザーによるいびき治療のデメリット

レーザーによるいびき治療には以下のようなデメリットがあります。

費用が高い

手術と比べて費用が高い場合が多い。

保険適用が少ない

美容医療とみなされることが多く、保険適用が少ない。

すべての症例に適しているわけではない

症状によっては、レーザー治療が適していない場合がある。

効果の持続性

効果の持続期間は、症状や治療法によって異なる。

副作用

痛み、腫れ、出血などの副作用が起こる可能性がある。

いびきが気になるときはいち早く医師に相談しよう!

いびきは身近な悩みの種となる症状ですが、睡眠時のみではなく日常生活に大きく影響を与えます。いびきは早期発見・早期治療が重要です。レーザー治療は、いびきの症状や原因、患者さんの希望に合わせて検討する必要がある治療法です。複数の医療機関で相談し、医師に治療の効果やリスクについて十分に説明してもらい、費用や保険適応について確認した上で、治療を受けるかどうかを判断することが重要です。

参考:
いびきの治療にかかる費用は高額?治療方法ごとの費用目安 | コラム | 【公式】いびきメディカルクリニック
東京 新宿 いびきレーザー治療 東京ロンフェルメ耳鼻いんこう科
いびき治療の世界的標準、日帰り・保険適用で受られる「レーザー治療」 | メディカルドック