いびきで悩んでいる方、睡眠時無呼吸症候群で苦しんでいる方、もう我慢する必要はありません。外科手術によるいびき治療は、根本的な解決法として注目されています。

しかし、手術には費用やデメリットも伴います。この記事では、外科手術の方法についての解説と外科手術によるいびき治療の費用とデメリットについて詳しく解説します。

いびき治療の外科手術の方法はなにがある?

いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因は、上気道が狭くなることです。外科手術は、この閉塞部位を改善することで、これらの症状を治療する方法です。

代表的な手術方法は4つあります。

  • 上下顎同時前進術
  • 口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)
  • オトガイ舌筋前進術
  • ⼝蓋扁桃摘出術

それぞれの手術方法について詳しく見ていきましょう。

上下顎同時前進術は上・下顎を前方に移動させる外科手術

上下顎同時前進術は、顎と下顎を同時に前方へ移動させることで、上気道(口と鼻の奥の空気の通り道)を広げ、呼吸を楽にする手術です。

出典:睡眠時無呼吸症候群の手術療法 | 千葉いびき・無呼吸クリニック|奏の杜耳鼻咽喉科クリニック

手術方法
  • 全身麻酔下で行う
  • 上顎骨と下顎骨をそれぞれ前方へ移動し、固定する
  • 手術時間は4~6時間程度

口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)は喉の空間を広げる外科手術

UPPPは、いびきや睡眠時無呼吸症候群の治療法の一つです。口蓋垂(のどちんこ)と軟口蓋の一部を切除し、咽頭(喉)の空間を広げる手術です。

出典:睡眠時無呼吸症候群に対する外科的治療 | 形成外科・小児形成外科 | 外科系診療科 | 診療科・部門 | 淀川キリスト教病院

手術方法
  • 局所麻酔または全身麻酔下で行う
  • 口蓋垂と軟口蓋の一部を切除し、縫い合わせる
  • 手術時間は30~60分程度

オトガイ舌筋前進術は舌根沈下を防ぐ外科手術

オトガイ舌筋前進術は、いびきや睡眠時無呼吸症候群の治療法の一つです。舌を支えるオトガイ舌筋を前方へ移動させ、舌根が沈下するのを防ぐことで、上気道のスペースを広げる手術です。

オトガイ舌筋前進術は、いびきや睡眠時無呼吸症候群の治療法の一つです。舌を支えるオトガイ舌筋を前方へ移動させ、舌根が沈下するのを防ぐことで、上気道のスペースを広げる手術です。

出典:オトガイ短縮術(顎を短くする・顎骨切り) | 美容整形手術ならリッツ美容外科東京院

手術方法
  • 全身麻酔下で行う
  • オトガイ舌筋を前方へ移動し、固定する
  • 手術時間は1~2時間程度

⼝蓋扁桃摘出術は口蓋扁桃(扁桃腺)を切除する外科手術

口蓋扁桃摘出術は、いびきや睡眠時無呼吸症候群の治療法の一つです。口蓋扁桃(扁桃腺)を切除することで、上気道のスペースを広げる手術です。

出典:千葉西総合病院

手術方法
  • 全身麻酔下で行う
  • 口蓋扁桃を切除し、縫い合わせる
  • 手術時間は30~60分程度

いびき治療の外科手術にかかる費用と保険適応

外科手術によるいびき治療の費用は、手術方法や医療機関によって異なりますが、一般的には30万円~50万円程度です。

手術費用の内訳は以下のようになります。(保険適応前の額)

入院費用

10万円~20万円

手術費用

20万円~30万円

術後費用

5万円~10万円

外科手術によるいびき治療が保険適応になる場合

健康保険が適用される場合もあり、その場合は3割負担となります。ただし、保険適用となるためには以下の条件を満たす必要があります。外科手術は基本的には保険が適応できます

保険適応の条件
  • 睡眠時無呼吸症候群と診断されていること

手術方法や症状などにより保険適応できるかどうか変わることもあるのでお近くの医療機関へ相談することをおススメします。

外科手術によるいびき治療のデメリット

外科手術によるいびき治療のデメリット

外科手術によるいびき治療は、いびきや睡眠時無呼吸症候群の症状を改善する有効な手段ですが、いくつかのデメリットがあります。

術後の症状

手術後は、痛みや腫れ、出血、感染症などの症状が現れる可能性があります。これらの症状は通常、数日で治まりますが、中には重症化するケースもあります。

リスク

手術には、声帯麻痺、味覚障害、舌の動きが悪くなる、口蓋垂が長くなるなどのリスクがあります。これらのリスクは稀ですが、発生すると日常生活に支障をきたす可能性があります。

効果の持続

外科手術によるいびき治療の効果は、一般的に数年間持続しますが、生活習慣の改善や体重減少などの努力を怠ると、効果が減弱する可能性もあります。

その他のデメリット


外科手術によるいびき治療には、入院が必要となるというデメリットがあります。手術の内容や医療機関によって異なりますが、数日から数週間の入院が必要となる場合が多いです。また、費用も高額になる傾向があり、30万円~50万円程度かかるケースが一般的です。健康保険が適用される場合もありますが、3割負担となります。

さらに、術後は日常生活に制限がでる可能性があります。痛みや腫れなどの症状が現れるため、食事や会話などに制限がでる場合があります。また、激しい運動や入浴などは控えなければなりません

外科手術によるいびき治療は医師と相談した上で行おう!

外科手術によるいびき治療は、いびきの原因の根本から治療するため、重度のいびきや睡眠時無呼吸症候群に対して有効な治療法です。

外科手術は、他の治療法で効果が得られなかった方や、重度の症状で日常生活に支障をきたしている方にとって、有効な選択肢となるでしょう。しかし、デメリットも理解した上で、医師と相談しながら、自分に合った治療法を選択することが大切です。